歴史を題材にした歌



次に述べる歌は歴史を題材にした歌を述べたものです。皆様どうぞご鑑賞ください。歌の一部は 『日本歴史ロマン』(S1)『日本書紀と古史古伝』(S2) にも掲載してあります。ぜひお読みください。 また参考に『ロマン的日本超古代史論』(A1)『日本超古代遺跡紀行』(A2)をお読みください。


太古の神様の名前は大変長く難しいので、まず、その数え歌を作って披露したいと思います。

元無極の 中未分し 天地を
(もとふみの なかなしわかし あめつちを)
[この歌は宇宙創世・天地分離の成り行きを司る天神(あまつかみ)三代の名前を覚えやすいようにつなげた歌です。
天神三代は@元無極躰主王大御神(もとふみくらいぬしのおほみかみ−元を極まり尽くせないほど古い宇宙大根源の神様の名前)、A中未分主大神(なかなしわかれぬしのおほかみ−天と地に次第に様々の物質ができて分化していく過渡的状況の神)、B天地分主大神(あめつちわかれぬしのおほかみ−天と地を始めて分けた神)、以上、合わせて別天神(ことあまつかみ)三代といいます]

大底の 天柱主 国萬 太陽・葦牙 造化・黄人皇
(おほそこの あめはしらぬし くによろづ ひなか・あしかび つくり・ひのひみ)
[同じく天神五代の神様名の数え歌です。前の三代の後に続く神様名で、C天地分大底大神(あめつちわかれおほそこのおほかみ)、D天一天柱主大神(あめはじめあめはしらぬしのおほかみ)、E国萬造主大神(くによろづつくりぬしのおほかみ)、F天御光太陽貴大光日大神(あめのみひかりおほひなかきおほてるひおほかみ)、以上の七代を天神七代といいます。次に上古三代の神が続きます。@天日豊本葦牙気皇主大神(あめのひとよのもとあしかびきみぬしのおほかみ−日豊本を「ひのもと」と読む説もありますが、字の読みから「ひとよのもと」と読んで「人世の本」を意味する)、A造化気萬男神(つくりしきよろずをのかみ)、B天日豊本黄人皇主大神(あめのひとよのもとひのひいみぬしのおほかみ)、以上は『日本書紀』『古事記』に登場する天御中主神の前にいたとされる宇宙創生の神々で『竹内文献』に出て来ます。]

御中主 高皇産霊に 神皇産霊 宇麻志阿志訶備 天常立
(みなかぬし たかみむすびに かみむすび うましあしかび あまのとこたち)
[以上、再び別天神五代の神様の数え歌です。@天御中主神(あまのみなかぬしのかみ)、A高皇産霊神(たかみむすびのかみ)、B神皇産霊神(かむみむすびのかみ)、C宇麻志阿志訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)、D天常立神(あまのとこたちのかみ)、以上ですが、Bの神皇産霊神に限り、五七五七七の音の都合上、「カミムスビ」と「カムミムスビ」の二番目の「ム」音を省略して発音しています。]

八下の 三降り合す 八百足日 八十萬魂 五行の神
(やくだりの みくだりあはす やほたりひ やそよろづたま いつつらのかみ)
[@天八下神(あまのやくだりのかみ−土の神)、A天三降神(あまのみくだりのかみ−木の神)、B天合神(あまのあはすのかみ−火の神)、C天八百足日神(あまのやほたりひのかみ−金の神)、D天八十萬魂神(あまのやそよろづたまのかみ−水の神)、以上は天地に存在する様々の要素は土・木・火・金・水の五個の要素から構成されていてその五つの要素を司る神様の名前です。これらの神様は天御中主神と高皇産霊神の間に位置して『先代舊事本紀』『竹内文献』に登場します。]

国常狭 豊斟泥沙土煮 角活杙 大斗面惶 伊奘那岐美七
(くにとこさ とよくうすぢに つのいくひ おほとおもかし いざなきみしち)
[@国常立神・国狭槌神(くにのとこたちのかみ・くにのさだつちのかみ−つなげて「くにとこさ」)、A豊斟渟神(とよくむぬのかみ)、B泥土煮神・沙土煮神(夫婦の神で「うひぢにのかみ」と「すひぢにのかみ」)、C角杙神・活杙神(つぬぐひのかみ・いくぐひのかみ)、D大斗能地神・大斗野辺神(おほとのぢのかみ・おほとのべのかみ)、E面足神・惶根神(おもたるのかみ・かしこねのかみ)、F伊奘那岐神・伊奘那美神(いざなぎのかみ・いざなみのかみ)、B〜Fはともに夫婦神です。五七五七七音に合わせてつなげて読みます。以上が神世の七代の神様の数え歌です]

天照 天忍穂耳 瓊杵火出見 鵜葺草葺不合 地神は五代
(あまてらす あめおしほみみ にぎほでみ うがやふきあず ぢしんはいつよ)
[@天照大御神(あまてらすおほみかみ)、A天之忍穂耳尊(あまのおしほみみのみこと)、B瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)、C彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)、D鵜葺草葺不合尊(うがやふきあへずのみこと)、以上が地神五代の神様です。]

どうですか。皆様、このように歌にして覚えれば、神様の名前も覚えやすくありませんか。

次は神様の時代の出来事を歌にしたものです。

斐伊川に 大蛇暴れて 八重垣に 姫を妻籠み 大蛇引き裂く
(ひいかわに をろちあばれて やゑがきに ひめをつまごみ をろちひきさく)
[素戔之男尊(すさのをのみこと)が八岐大蛇(やまたのをろち)を退治するために八重垣を造って、そこに櫛稲田姫命(くしいなだひめのみこと)を避難させて、大蛇(をろち)を退治する歌。大蛇は出雲地方に毎年の如く発生した川の水害を怪獣にたとえたものです。実際に八頭八尾の蛇はいません。八重垣とは堤防やダム・水門などの水害防止設備で、この話は古代の治水工事を意味しています。]

天照 神勅降し 高千穂に 瓊瓊杵降りて 日本始まる
(あまてらす みことばくだし たかちほに ニニギくだりて やまとはじまる)
(天照大神の御神勅によって瓊瓊杵尊が高千穂の峰に降臨して日本の建国が始まる歌。こうした日本神話の参考書としては 『ロマン的日本超古代史論』『神社に眠る神様の御肖像画と御系譜』などをお勧めします。]


どうですか。皆様、お楽しみいただけましたか。歌に関する感想や自作の歌(テーマは歴史)も募集しています。